旅に出る理由。
僕にとっての旅は、人生の一部であり、人生そのものである。
子供の頃から外で遊ぶのが好きだった。
小学生のとき、放課後は校庭で日が暮れるまで遊んでいて、土日はサッカーをしていたから(やりたくなかったけど笑)、自然と外に出ることが多い子供だった。家でゲームをするよりも、テレビを観るよりも、友達と遊ぶ時間、放課後の自由な時間が何よりも楽しかった。休み時間のように時間は決まってないから、バスケをしたり、鬼ごっこをしたり、やりたいことをして、疲れるまで遊んだ。学校が早く終わった日には裏の公園、学校の先にある林、いつもよりほんの少し遠くに行ってみる。ただそれだけで、心が弾んだ。
家と学校を往復する毎日だった僕にとって放課後は、決まりきった日常から解放される唯一の時間だった。思い出すたびに、あの胸の高鳴りが蘇る。
大人になった今、電車に乗れるようになり、飛行機にも乗れるようになった。
家と仕事場の往復は変わらないけど、ありがたいことに好きなことで仕事をさせてもらっていて、仕事場は日ごとに違う。新しい場所に訪れ、新しい人に出会い、日々新しい景色を見ている。こんなにも刺激の溢れる毎日を過ごしているけれど、子供の頃に感じた高揚感を超えることはない。
だからきっと、心のどこかであの時感じた胸が高鳴る瞬間を探し求めているのだろう。
その瞬間に出会うために僕は旅に出るのだ。